「でゃあ!!」
振りぬかれた剣がビュッと音を立て、長く伸びていた雑草を切った。
剣を振ったのは灯摩だ。
いつもの鎧とマントをつけ、剣をひゅんひゅんと動かす。
そんな彼を遠巻きから見ているのは、夏南と千早と冬だった。
「……ふぅ…。」
灯摩はカシンと音をたてて剣を鞘にしまった。
千早はパチパチと手を叩く。
「凄い凄い!!完全復活ね!」
夏南もうんうんと頷く。
「はぁ…はぁ…。どうですか…?冬『先生』」
流れる汗を拭いながら灯摩は冬に問うた。
対して冬は少し考えてから微笑んだ。
「うん!下からの切り上げが前よりほんっの少し遅くなってるけど、まぁあとは大丈夫ね。復帰許可!」
「あ…っありがとうございます!!」
深く灯摩は礼をする。
普段はウィンリアの母の冬さんだが、一度剣を持てば灯摩にとっては唯一無二の剣の師である。
ちなみに今の冬は木刀を持っている。
「さてさてさて!ではでは灯摩くんの復帰を祝って!祝杯〜〜♪」
何処から出したのか、千早が酎ハイをかかげる。
夏南や冬、灯摩もそれぞれ缶をもち、同じように天にかかげる。
ただし夏南だけは酒が飲めないのでオレンジジュースである。
四人はぐい〜っと勢いをつけて飲み干した。
その時、ピピピピピ…と誰かの懐から電子音が鳴った。
「はいはい〜。あら、ドル?」
携帯の持ち主は冬、相手はドルリアらしい。
「うん、うん。…そう…わかったわ…。」
最初は笑っていた冬だったが、徐々に真顔になり電話を切った。
「ドル兄なんだったんだ?」
夏南が問うと、冬は携帯をポケットにしまいながら溜め息をついた。
「灯摩ちゃん、夏、千早。これから一緒にアテナ城に来て欲しいの。大切な話し合いがあるのよ。」
「話し合い…ですか?」
冬は頷く。
「本来なら私達『一般市民』は関わらない方がいいんだけどね?逆に一般市民代表として参加する必要があるわ。特に灯摩ちゃんは。」
灯摩に目をやり言う。
「…わかりました。俺行きます。夏南と千早も行くだろ?」
灯摩が二人に振ると、二人は一度顔を見合わせて頷いた。
「早めに行った方がいいよな、それだと。俺車だすよ。お前らや姉さんは酒飲んだからな。」
笑いながら歩き出す夏南に続くように、三人はその場を後にした。
―――――――――――――――――――――――――――――
城の会議室にはただならぬ空気が流れていた。
何かを話すでもなくただ並んで立っているリトレアと秋斗とドルリア。
その三人と向かい合うように立って、落ち着かない様子で目をキョロキョロさせているウィンリアとユーリンと利羅。
その六人に挟まれるように置かれた椅子には、美癒が背もたれに縄で縛られて座らされている。
そしてそんな美癒の真正面に立ち、きつい顔で睨んでいる喜癒。
コンコン。
そこへノックの音が響いた。
「どうぞ。」
リトレアが短く答えると、扉が開き灯摩たち四人が顔を出した。
「リトレアさん…美癒…どうかしたんですか?」
入ってきて早々目に飛び込んできた美癒の異様な状態に、灯摩は思わず訊いた。
しかしリトレアは首を2〜3度横に振り、待っているように合図を返しただけだった。
「…秋斗、美癒ちゃんの意識を。」
代わりに秋斗にそう言う。
秋斗は美癒に近付き、彼女の額に人差し指を当てる。
その直後パンッという軽快な音がして、美癒の頭は後ろに傾いた。
騒然とする一同の中、美癒はふと目を覚ました。
「………………。」
唯一動く首を動かし、辺りの様子を確認してから美癒は溜め息をついた。
「…………ゼディシュ(最悪)…。」
シャルンティアレの古語でそう言い、俯く。
「美癒ちゃん。どうして君がそんな風にされてるのかは分かってるよね?」
口調は優しいが、リトレアは真剣な顔をしている。
そんな彼に、美癒は小さく頷いた。
「怒ってらっしゃるんでしょ?他国民である私が散々勝手な事をさせてもらったから。」
技とらしく丁寧語を使う。
「でも、こんなことをなさってて宜しいのでしょうか?リトレア様。伝わっていませんの?バーサーカーの群れがこちらの国に向かって侵攻しているということ。アテナの情報伝達速度はとても遅いのね。」
その台詞に驚いたのは初めてそのことを耳にした灯摩たち四人だけだ。
美癒は彼女自身からは一言もそんな報告していないにもかかわらず、ふんっと鼻を鳴らしてそう言う。
「馬鹿ですか貴女は。伝わっているから今貴女がそんな状態になってるんでしょ。貴女こそ思考回路がおかしいですよ。」
美癒に言い返したのは喜癒だ。
喜癒からでるにしては少々刺々しい言葉に、ウィンリア達三人や灯摩は目を丸くした。
リトレアも一瞬不審な顔をしたが、あえて気にせず話を進める。
喜癒を睨みながら唇を噛む美癒の前に、リトレアは進み出た。
「教えてくれるよね?君の知ってる事全部。」
「………。何を教えて欲しいのよ?」
上目加減にリトレアを睨みながら美癒は吐き捨てる。
「そうだね…。まずは君に与えられた任務について話してもらえる?」
リトレアの問いに、美癒は少し黙ったが口を開いた。
「……私が最初に賜った任務は、貴方を殺すことよ。リトレア国王陛下。」
彼女の言葉に、灯摩は眉間にしわをよせた。
「そこの…灯摩さんなら覚えてるでしょ?喜癒の神子としてのお披露目会の前夜、城を襲った降魔。あれは私が送り込んだの。あのタイミングですもの。誰かが喜癒を狙ってきたんだって、誰もが勘違いしてくれたわ。運良くリトレア国王陛下と喜癒の髪の色も似てたしね。」
くすっと笑う美癒。
「まぁあの時は失敗しちゃったけどね。しょうがないからしばらくこっちの国にいることになったの。あとはそちらも知っての通り。アテナ城に入って陛下達のお話を色々盗聴して。執務室や色んなところに降魔の種を仕掛けて。さっき利羅と一緒に逃げ始めた時に数十分後に発動するようにして襲わせたわ。」
誰にも気付かれないように秋斗は溜め息をついた。
「…わかった。それは全てあの女に言われてしたんだね?悪いのはあの女か。」
「違う!!シャニーナ様は悪くないわ!!」
慌てて美癒が叫ぶが、すぐに自分がとんでもないことを言ってしまったことに気付き息を呑んだ。
「シャニーナ…?シャニーナ女王に言われてしたんだ…。彼女がやりそうなことだね。」
リトレアは『あの女』としか言ってはいなかった。
「……。違う…。本当にシャニーナ様は悪くないの…。だって、シャニーナ様は私みたいな孤児を育ててくださった。だから私は、シャニーナ様に言われればなんでもしようって思って。実行したのは私なのよ!?私が悪いの!!殺すなら殺してよ!!」
必死に言ううちに目からは涙が出てくる。
彼女のそんな姿を見たくなくて、ウィンリアとユーリンは目を反らして俯く。
「殺しはしませんよ。」
美癒の叫びに喜癒が返す。
「貴女にはこれからやってもらわなければならないことが沢山あります。だから少なくとも、貴女を殺しはしません。もし殺すとすれば全てが片付いてからです。」
その言葉はやはり冷たかったが、もっともな台詞であった。 リトレアも美癒を殺そうなどとは微塵も思っていなかった。
「喜癒くんの言う通りだよ。君にはこれから沢山の事に協力して貰いたい。…いや、協力させるんだから。それに俺はむやみやたらに人の命を絶たせることは好きじゃないんだ。まだ君には聞きたいこともあるしね。」
リトレアの言葉に、美癒の顔から少しだけ不安の色が消える。
殺せとは言ったものの、やはり何処かで彼女は不安を持っているのである。
「さて、じゃあ次の質問。今この国に、アテナに迫っているバーサーカーの大群の話だけど。一体誰がバーサーカーを向かわせているのか教えて貰える?」
その質問には美癒は首を横に振った。
「…私も…そのことに関しては教えて貰ってないわ。私はただシャニーナ様に言われるままに行動していただけだもの。」
彼女の台詞に、今まで黙っていた利羅が問う。
「ちょっといいか?お前あの女王に言われた事を実行してるだけなんだろ?だったら何で俺達にあんな忠告をしたんだ?それも命令されたのか?」
美癒はまた首を横に振った。
「あんたたちに言ったのは…私の独断。だって私…私は…。」
一度全体を目だけで見回してから小さく続きの言葉を呟く。
「シャニーナ様が思ってるほど、この国のこと嫌いじゃないし。シャルンティアレに輸入されてくるここの野菜とかは大好きだし…。だから…本当はこの国、バーサーカーに消されたくないから。」
彼女の告白に、そこにいる全員が静かに驚いた。
「……じゃあ何で?!何であんたその女王の言うこと聞いてるのよ?!」
横からウィンリアが美癒に掴みかかる。
突然のことに美癒は目を見開いたが、ウィンリアから目を反らし悲しそうに眉間にしわを寄せる。
「だって…私にとってシャニーナ様は絶対だから…。私は…天使だから…。シャニーナ様のためだけに…シャニーナ様の幸せのために働く天使だから…。私は…私は…。」
「違う!!」
ウィンリアは美癒の頬を力いっぱいはたいた。
「あんたは天使なんかじゃない!!人間よ!!ただの馬鹿な人間よ!!たとえあんたにとってシャニーナさんが絶対だとしても…たった一人の幸せのためだけになんで沢山の人が怖い目に遭わなきゃいけないのよ!あんたが天使なわけ無いでしょ?!馬鹿言わないで!!そんなこと言ってる暇があるなら…!!」
ガクガクと美癒を揺さぶるウィンリアを、灯摩が慌てて止める。
「ウィンリアやめろ!お前がそんなに怒鳴ったってしょうがないだろ!!」
「放して灯摩ちゃん!」
ウィンリアは灯摩の腕の中でまだ暴れる。
しかしそんなウィンリアもすぐに怒りを押さえることになった。
「ウィンリアさん。今は大切な話をしてるんです。ここにいる皆さんだってこの女には苛ついてるけど我慢してるんです。こんな時に一人だけキーキー騒ぐのやめてもらえます?話の邪魔するんなら出て行ってください。」
言ったのは喜癒だ。
美癒を見ていたときと同じ眼でウィンリアを睨み、両手をぎゅっとにぎりしめる。
「―――っ!」
その眼光にウィンリアはぐっと黙る。
「………美癒ちゃん。話を戻すよ。そのバーサーカーの侵攻を止める方法はないの?」
リトレアが話を戻すと、美癒は少し考え込んだ。
「……っ。…一つだけ…あるかもしれない…。」
そして何かを思いついたように顔を上げる。
「…あの人に…ゼフィランサスさんに頼めば…。」
「…ゼフィランサスさん…?」
美癒は頷く。
「バーサーカーの状況について聞くために、2〜3度会っただけなんだけど…。ゼフィランサスさんは今回の侵攻の参謀をしてる『高位のバーサーカー』なの…。
誰かは…本当に知らないけど、バーサーカーの最高位に位置している人と一番近い位置にいるのは彼。あの人は話も分かる人だと思うし…とにかく賄賂でもなんでも使ってゼフィランサスさんを説得することができれば、もしかしたらバーサーカーの侵攻を止めてもらえるかも知れない。」
彼女の言葉の次に口を開いたのはドルリアだった。
「そのゼフィランサスという人物…いや、バーサーカーが今何処にいるのか分かるのかい?」
「うん。ゼフィランサスさんは自分が動き回る事はあまりしないの。ゼフィランサスさんに会うんだったら、私が彼のところまで案内するわ.。」
美癒は真っ直ぐな眼をして言った。
その眼は嘘をいっているような眼ではなかった。
「……どうする、リトレア?どうやら嘘ではないようだし。」
そんな美癒を見て秋斗がリトレアに問う。
リトレアの方もそれは感じていたようで、顎もとに手をあてて考え込んだ。
「そうだね…。こちらとしては確信が持てないけど、今それしかなす術が無いなら君を信じてみるよ、美癒ちゃん。」
リトレアの答えを聞き、美癒はホッとした顔をする。
「交渉には明日の早朝出発するよ。明々後日なんていったら本当にすぐの話だけど、ともかく一呼吸置いてみよう。国軍の準備もいるしね。…あと…君は大好きなシャニーナ女王に逆らう事になるけど。覚悟は…あるよね?」
リトレアの問いに、美癒は一度コクリと頷いた。
「……大丈夫…。私が言い出したことなんだし。」
言われてリトレアは頷いた。
「…さて、そうとなったら早めに…。」
「待てリトレア。まさかお前、自分が行くつもりじゃないだろうな?」
リトレアが解散を呼びかけようとした瞬間、横で話を聞いていたドルリアが言った。
彼の言葉に、リトレアはえっ!?という顔でドルリアの方を見る。
確かに指摘されたとおり、リトレアは自分が行くつもりでいたのだった。
しかしそれは迂闊であった。
「お前は城を離れるべきじゃない。この国の最高指揮者は誰だ?お前だろう?」
彼の言葉に、その場にいた全員も気付いた。
明日と決めたゼフィランサスとの交渉が上手くいくとは限らないのに、一番の重要人物であるリトレアが赴くことは何よりも危険な行為なのだ。
「…そうだね。俺ってばうっかりしてた…。でもそれだと誰が…。」
「俺だな。」
顔色を変えずにドルリアは即答した。
リトレアは目を丸くする。
「でも、兄様…。それじゃ…兄様が危険じゃない。」
慌ててそう言うが、ドルリアは首を振った。
「だからこそだろ?重要な交渉なんだ。どの道危険な事に変わりはない。ある程度状況を把握してここで今まで話を聞いていた誰かでなければいけないしな。そう考えれば俺が行くのが妥当じゃないか?」
「ドル兄、それなら俺が…。」
秋斗が進み出るが、ドルリアはまた首を振った。
「よく考えてみろ、秋。もし交渉が決裂した場合、何がおこる?それが起こった時、リトレア以外に誰が必要になる?」
言われ、秋斗はハッとした。
交渉が決裂すれば、待っているのはバーサーカーの大群による国への襲撃である。
そうなった場合、必要になってくるのは国の軍隊だ。
「…………。」
リトレアは暫く沈黙したが、ふいと顔を上げた。
そして真剣な顔でドルリアを見る。
「すみません。兄様、どうかお願いします。」
深くドルリアに礼をする。
「あの…。」
そこで誰かが発した。
言ったのは灯摩だ。
全員がどうしたのかと言いたげな眼で灯摩を見る。
「…俺も…行っていいですか?」
その提案に、ウィンリアは驚く。
「灯摩ちゃん!何言ってるのよ!お城には強い兵士さんだっているし、灯摩ちゃんが行く必要は…。」
しかし灯摩はウィンリアの言葉を聞き流し、リトレアの前に歩み出た。
「危険と分かっているところへ、ドルリアさん一人だけを行かせるなんてことできません。それに、もしかしたら彼女も、あの黒服のバーサーカーもいるかもしれない。その高位のバーサーカーと今まで何度か会っている俺の方が、役に立てるんじゃないでしょうか?リトレアさん、いえ、国王様!俺を護衛でついて行かせてください。お願いします。」
「でも…灯摩くん怪我…。」
「いいわ。行かせてあげて。」
リトレアが病み上がりであろう灯摩の体を気遣うと、今まで黙っていた冬がそう言った。
「お母さん?!」
ウィンリアは目を丸くした。
「灯摩はもう大丈夫よ。それに彼のいうことにも一理あるわ。ドル一人を行かせるなんて、私は反対よ。頭回るくせに変なとこでドジなんだから。」
それを気にせず、冬は溜め息をつきながらリトレアに近付いた。
言葉の最後を冗談めかしてウィンクする冬の顔を見て、リトレアはほのかに笑った。
「わかった。兄様をお願いします。」
微笑んで灯摩の肩を叩く。
灯摩は言葉を返す代わりにペコリと深くお辞儀を返した。
「さてと…じゃあ美癒ちゃん。女の子には悪いけど、今日は牢の方で一晩すごしてね。信用してないわけでもないけど、こっちももし逃げられたらたまらないから。」
言ってリトレアは美癒の方をむく。美癒はその言葉に頷いた。
それを見て秋斗が美癒の縄をほどいた。体が自由になった美癒は立ち上がってぐっと背伸びをする。
「…じゃあそこに連れて行ってください。私、従います。」
そのままリトレアに一礼し、歩き始めた秋斗に続いて美癒は部屋を後にした。
残された一同はしばらく何も話さず、誰かが言葉を発するのを待った。
その沈黙を破ったのはリトレアだった。
「さぁ、俺たちもぼーっとしてられないよ。明日の為に…そして…交渉が上手くいかなかった時のために沢山の準備がいるんだから…。灯摩くんと兄様は、今日は城の方にいてくれるかな?あと、冬義姉様も。久しぶりに義姉様の力を貸して欲しいから。」
リトレアの言葉に灯摩とドルリア、冬は頷き、リトレアとともに部屋を後にした。
「夏、千早ちゃん。ウィンリア達を頼んでいい?家に送ってあげて。」
「あぁ、わかった冬姉。」
冬はウィンリア達のことを夏南に預け出て行った。
「…………。」
ウィンリアは静かに拳を握った。
「ウィンリア。」
「!」
そうしていると夏南が彼女に声をかけてきた。
「今日は家に泊まりに来い。冬姉もドル兄もいないんだからな。」
「…………。」
「…間違っても灯摩達について行こうなんてするなよ?この状況で身内内を引っ掻き回しちゃダメなのはわかるよな?」
続けて言われた言葉に、ウィンリアはビクリとする。
彼女が考えている事など、彼等には手にとるように分かるのだ。
「さぁ、ユーリンちゃんも私達と一緒に帰りましょ?お家まで車で送るわ。」
「あ、…はい!ありがとうございます。」
ぼーっとしていたユーリンも声をかけられ、慌てて千早達のもとに行く。
そしてウィンリア達も部屋から出て行き、そこには利羅と喜癒だけが残された。
「…さ…てと…。俺たちも部屋に戻るか?喜癒。」
黙っている喜癒に利羅が話し掛ける。
すると喜癒はゆっくり歩き始めた。
「……どうしてあんな女の言うこと信じるんですか。その場限りの嘘に決まってるのに。いつ裏切るかも分からないのに。皆さん大バカですよ。」
そう、呟きながら。
それを聞いて利羅は眉間にしわをよせ、改めて喜癒の突然の変わりように違和感を覚えたのだった。